Q: Choosing Wiselyとは何ですか?
A: 医療者と患者が、対話を通じて、科学的な裏づけ(エビデンス)があり、患者にとって真に必要で、かつ副作用の少ない医療(検査、治療、処置)の“ 賢明な選択” をめざす、国際的なキャンペーン活動です。
Q: Choosing Wiselyは、どのように始まったのですか?
A: Choosing Wisely のルー ツは、米国内科学会、米国内科専門医機構 (ABIM)財団、欧州内科連合が主導して2002 年に公表された「新ミレニアムにおける医のプロフェ ッショナリズム:医師憲章」にさかのぼります。その後、医師憲章の精神を実現するため、 ABIM 財団主催のフォーラムが毎年開催され、 2011年に”ChoosingWisely”という言葉が初めて登場しました。 「ポリファー マシー (薬剤の多剤併用)」や「過剰診断」が世界的な問題になりつつある中、医療者が専門職としての原点に立ち返り、 “ 賢明な選択” を実現するために立ち上がったのです。
現在までに、カナダ、イタリア、スイス、イギリス、オー ストラリア、日本など各国に、 Choosing Wisely の輪が広が っています。さらに、国際的な協力関係を深めるため、 Choosing Wisely International が組織されています。
Q: Choosing Wiselyは、どんな活動をしているのですか?
A: アメリカでは、 70 以上の臨床系の専門学会が、医療者、患者双方が考え直すべき”5 つのリスト” を作成しています。それらを合計すると、約 450 項目(2017 年 3 月現在)にも上ります。”5つのリスト”は、その根拠となる文献とともに、インター ネット上に公開されています。同時に、消費者団体(ConsumerReports) との協働で、一 般(患者・市民)向けにやさしく書かれた説明書が作成されています。
日本では、総合診療指導医コンソー シアムが、以下に挙げる”5つのリスト” を発表しました(GenMed. 2015; 16: 3-4.)。
1.健康で無症状の人々に対してPET-CT検査によるがん検診プログラムを推奨しない
2.健康で無症状の人々に対して血清CEAなどの腫瘍マー カー 検査によるがん検診を推奨しない
3.健康で無症状の人々に対して MRI 検査による脳ドック検査を推奨しない
4.自然軽快するような非特異的な腹痛でのルーチンの腹部CT検査を推奨しない
5.臨床的に適用のないル-チンの尿道バルーンカテーテルの留置を推奨しない
Q: Choosing Wisely Japanとはどんな団体ですか?
A: 日本で Choosing Wisely を推進するために、2016 年10 月に立ち上げられた任意団体です。発起人は、医師、薬剤師、医学生、患者・市民など、さまざまな立場の 12 人です。
Q: Choosing Wisely Japanに参加するにはどうすればよいですか?
A: Choosing Wisely Japan は、医療者および医療に関心のある市民の皆さまの参加を歓迎いたします。年会費は、正会員 5000 円、学生会員 2000 円です(2017 年 6月時点)。学会等の団体は賛助会員となります。
以下のメー ルアドレスまでお問い合わせ/お申し込みいただきましたら、入会手続きをご案内いたします。ご一 緒に、医療における「賢明な選択」の実現をめざしましょう!
メー ルアドレス :choosingwiselyjapan@gmail.com